ポエム 「蟹のおやこ」
蟹のおやこがね
ミルキーウェイの上を
歩いているんだよ
蟹のおやこがね
渡り鳥をよけながら
歩いていくんだよ
わたしはね シャボン玉飛ばした
小さな男の子に
赤くて丸いガムあげたんだ
膨らますと 中に入れるよ
だれにも内緒だよ
うちの冷蔵庫にはね
そば茶が入ってるんだよ
あの子も好きだった
からあげ2つ
買ってきたんだよ
蟹のおやこがね
お空にのぼっていくんだよ
虫取り網をよけながら
煙突のなかに 逃げ込んだよ
わたしは見たんだよ
虹が かかっていたよ
(新潮文庫 『28歳の無職が書いた世にも恐ろしいポエム集』 より抜粋)