穢れなき浮浪者

ひ、ひ、ひ。
もう、人間なんて、本当に、いやに、
なっちまった。おんなは、にやにや、しているか、
おとこは、男根、おったててるか、
それでしか、ないべ。 なあ。

しとのこと、バカにして、よろこんで、
歯の抜けたおれを、のけものにするんだが、
それだけなら、まだしも、おれに、うそをついて、
しとの、だいじにしていた、ものを、
かってに、持って、いってしまった、
おまえにも、こころあたりは、あるべ。
きが、へんに、なったのも、それは、おまえも
おなじことだと おもう。


むかし、ようこせんせいという、きれいな、おんなが、
おれに、ひらがなばかりを、つかうなと、いった。
せんせいは、おれの、ノートを、やぶいて、
言うことを、聞けないやつは、人生の、落第者だと、
おれの、あたまを、ぶとうとしたんだが、
どういうわけか、こんどは、とつぜん、なきだして、
おれが、かわいくて、しかたがねえんだ
ほんとうは 甘やがして やりてえべ と、いうんだが、
おれは、そんなようこせんせい どういうわけか
ただの くそもらしにしか おもえないんだ
せんせいの かおが おれの じいさんの 
菌で だめになっちまった、いんけい に みえた


おれにわ、学というものがないけれども、
もっと、別のことが、わかる。
おまえの、こころの、おくそこにある、
その、きこえない、かたちにならない、みえない、
感情は全て、無意味で、虚無なものであり、
お前は腐ったクズ以下の存在で、又、その事に気付いた瞬間、
違う、違う、と後ずさりをはじめ、
クズの階段を最後まで駆け足で降りていくのだが、
とうとう、逃げられる場所を失って、そのまま、
奈落の果てまで落ちていき、
その落ちた先に、歯の抜けた私が立っているのだが、
私は、お前が首を絞めたことのある少女と手をつなぎ、
少女は、開きかけの椿のような美しい瞳で、
お前を、見つめている。



(著者セックス水死体 「河川敷にテントをはり、
鏡を見つめながら、書いた、浮浪者との会話、実録。」より抜粋)